胃潰瘍と十二指腸潰瘍
 胃潰瘍十二指腸潰瘍 をあわせて 消化性潰瘍 とも呼ばれる。本来は食物を消化するための胃液(酸、ペプシン)が、胃や十二指腸の粘膜を消化し、粘膜の損傷が発生した状態をいう。粘膜障害の深さによって、Ul-IからUl-IVにまで分類され、Ul-Iは通常びらんという。欠損が粘膜下層以上に及ぶUl-II以上が潰瘍である。原因としては、 ピロリ菌(Helicobater pylori)感染、ストレス、喫煙、薬物(非ステロイド抗炎症薬など)、暴飲暴食(不規則な食生活、アルコール類の過飲) があげられる。
 症状としては、心窩部痛(みぞおちの痛み)、心窩部不快感(胃のもたれ)、胸やけ、腹部膨満感がある。
 症状よりX線検査、内視鏡検査を行い診断を確定する。内視鏡所見は、病期により活動期(A1、A2)、治癒過程期(H1、H2)、瘢痕期(S1、S2)に分類される。
 治療薬としてはプロトンポンプ阻害薬(投与期間は 胃潰瘍 が8週間、 十二指腸潰瘍 が6週間に限定されている)、H2受容体拮抗薬、防御因子増強薬などがある。
 消化性潰瘍 は治りやすい疾患であるが、再発しやすいので、症状が消失した後も、治癒が確認されるまでは、服薬を継続する。また治癒した後も再発を防ぐために、規則正しい食生活を心掛け、タバコ、アルコールは控えることが望ましい。
 近年 ピロリ菌 の除菌により、潰瘍の再発が抑制されることが証明され、プロトンポンプ阻害薬、アモキシシリン(抗生物質)、クラリスロマイシン(抗生物質)の3剤を1週間服用する除菌療法が保険診療でも可能になった。