肩こり・腰痛、しくみと予防
人類が地上に誕生し、やがて立ち上がって歩き出すとともに脳がますます発達して大きくなり、頭も重くなりました。そして絶えず重い頭を常に正常な位置に支える為に、強力な頸椎と、その周囲に筋肉が肩から頸、背中にかけて発達する必要性が生じました。また重い上肢(腕)を使わない時でも一定の力で引っぱり上げていなければなりません。以上の理由で頸から肩、背中の筋肉群は常に緊張状態にあり、さらに緊張を増す様な場合、例えば手仕事(パソコン、事務仕事等)や、一定の姿勢を長くとらなければならない場合は容易に肩こりがおきます。 肩こりの時筋肉の中で血液の流れは滞りがちになる為、その場所での新陳代謝が十分に行われなくなり、老廃物や毒性物質が溜ります。またそこには血液循環が悪い為、酸素の欠乏乳酸の増加ビタミンの不足による不快な症状を引き起します。ストレスもまた肩こりの大きな原因となります。ストレスは自立神経にはたらいて末梢血管を収縮させ、筋肉を緊張させ、結果血流が滞り肩こりが発生します。

肩周囲の主な疾患


■肩関節周囲炎(四十肩、五十肩)

肩関節周囲の筋肉、腱、関節包などの老化によりその組織が変性し、炎症を引き起こすと考えられています。40〜50歳代以上の人で、肩の痛みと運動に障害があって、特定の原因をもたないものをそれとします。原因のあるものは、肩峰下滑液包炎、石灰沈着性腱炎などと病名がつけられます。

病理

肩関節軟部組織の老化による変性、肩の可動(運動)不足による筋肉、腱の硬化など

病態 夜間に病む事が多く、慢性化にて痛みは軽減しますが、肩関節の運動制限が強くなります。
治療 急性期:消炎鎮痛薬や物理療法(電気療法、光線療法)で鎮痛しながら無理のない範囲で運動療法を行います。
慢性期:運動療法を中心に物理療法、温熱療法を行います。



■頸肩腕症候群
頸、肩、腕におこる様々な症状をまとめた診断名で最近では胸部出口症候群、頸椎骨軟骨症などが独立して名前がつけられる様になりました。肩こりもこの中にまとめられます。

病理

頸椎の椎間板の異常、鎖骨周囲の神経血管の障害、頸や肩の筋肉疲労、ストレス、内臓疾患などが考えられます。誘因として外傷や長時間の同じ姿勢での仕事が問題となります

病態 筋肉痛、上肢(腕)や手指の冷感、しびれ、また肩こり、めまいなど
治療 薬物療法、理学療法(マッサージ、温熱、電気、光線療法など)
神経ブロックなど