メタボリックシンドローム(生活習慣病)外来

 「肥満」特に「内臓脂肪型肥満」は、「高血圧」「糖尿病」「高脂血症」「高尿酸血症」などの「生活習慣病」のもとです。つまり 内臓脂肪の蓄積 が生活習慣病を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞などの 動脈硬化性疾患 を引き起こします。この内臓脂肪の蓄積した病態が「メタボリックシンドローム」(内蔵脂肪症候群)です。
 敬節クリニックでは、最近健康診断で異常を指摘された方やお腹が出てきた方などを対象に、メタボリックシンドロームの有無をチェック致します。メタボリックシンドロームと診断された方には、病気であるという認識を十分に持っていただき、生活改善(行動変容)について医師と相談し、管理栄養士らによる食事相談や、必要あれば内服処方をしながら治療し、メタボリックシンドロームを克服して頂きます。

検査項目;図1.2を参照
1)身体計測(身長・体重・BMI・ウェスト周囲径測定)
  BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
2)血圧測定(収縮期血圧・拡張期血圧)
3)血液検査(以下の検査項目は最低限必要です)
   脂  質;総コレステロール・中性脂肪・LDLコレステロール
         HDLコレステロール
   糖尿病;血糖値(空腹時,または食後)・ヘモグロビンA1c
   肝機能;GOT(AST)・GPT(ALT)・γ-GT
   腎機能;尿酸・BUN・クレアチニン
4)腹部CT検査
  内臓脂肪面積測定(内臓脂肪面積の正常値;100cm2未満)

内臓脂肪と皮下脂肪 検査にかかる費用;

症状やすでに検査異常のある方は保険適応となります
(健康に自信のある方は人間ドックでの受診となります)

* 検査は随時可能ですが、絶食での検査が有用です
* 血液の検査結果が出るのに数日間必要です
* 症状によっては頚動脈超音波検査や腹部超音波
  検査など上記以外の検査が必要です


メタボリックシンドローム対策

相談内容
 私は身長170cmで、現在体重78kg、腹囲92cmです。健康診断の血液検査などで肥満であり、メタボリックシンドロームだと言われました。メタボリックシンドロームの判定基準、また減量のための食事や運動のポイントについて教えて下さい。(46才男性 枚方市)

回 答
 悪の根源は「内臓脂肪」の蓄積
 BMI(肥満度指数)が27.0であり軽度肥満ですね。メタボリックシンドロームの診断基準は図1の如くで、「内臓脂肪の蓄積」が根源となって、高血圧、糖尿病、高脂血症など生活習慣病が多数発生した状態のことで、知らないうちに動脈硬化が進行し、脳卒中や心筋硬塞などの病気になり、死に至ることにもなりうる恐ろしい状態です。ウエスト周囲径は立って、軽く息を吐き、へそのレベルで地面と平行に測定します。それに加えて、血圧測定と血液検査で診断します。
 日常生活で内臓脂肪が蓄積する最も悪い習慣は、時間の遅い夕食と、その過食です。なんといっても「遅い夕食」(夜9時以降)「遅くに油もの(コロッケ、かつ、てんぷら、唐揚げ、ラーメン、ファーストフードなど)」ほど体に悪いものはありません。本当に最悪です。必ずなんらかの生活習慣病になります。今日からやめて下さい。寝る直前なら夕食は食べないようにすることです。よく考えてみたら、寝るのにカロリーは不要です。あえて必要とすれば、入眠の為の血糖値です(血糖値が低すぎると熟睡できない)ので、ご飯半分(約80kcal)と納豆1個(約100kcal)で十分です。接待や付き合いで飲みに行かれる時は、酒のみにして、食べないようにしてカロリーを制限し、どうしても1人前食べなければならないのなら、当日の昼食を減らすとか、翌日は朝を減らすように調節し、翌日の夕食は最小限にするなど必ずリカバーしていくことが基本です。
 ダイエットのための食事量の比率朝:昼:夕食が3:5:2が理想です。
 また基礎代謝を下げてしまわないように、飲み物は冷蔵庫のものはやめて熱いお茶や室温のお茶がよく(冷から暖へ)、さらに基礎代謝を上げるために風呂で汗をたくさんかくことでさらに体重は減り、内臓脂肪は必ず減少します。
 運動の開始は体重が3−4kg減って少し軽くなってから始めると効果が出るし腰や膝を痛めなくてすみます。5kg以上の体重減少を得るには運動は必須と考えています。
 週2回以上1回1時間以上の有酸素運動をすれば必ずやせます。特別な運動は不要で、ややきついと感じる程度のウォーキング(歩く)が最もお勧めです。体の筋肉が伸びているのを感じるようなストレッチングも大きな効果があります。毎日の食事や体を動かすことを是非とも意識して頂き、今後の「人生の質  Quality of life」 を上げ、元気で長く楽しく人生を送って下さい。
 ちなみに私は救命救急センターに勤務していた頃は178cm、87kgで、まさにメタボリックシンドロームでしたが、上記の内容を厳守しましたら、2年で体重が22kg減り、内臓脂肪面積も110.3cm2から17.6 cm2に減り、高血圧、高中性脂肪血症、高尿酸血症など現在は全て正常化しています(図2)。
医療法人 敬節クリニック 枚方総合健診センター
高田達良
図1 メタボリックシンドロームの診断基準
図2 メタボリックシンドロームを起こしやすい、内蔵脂肪面積